税金まわりの基礎知識

利用しやすい相続税軽減策  「生前贈与」の課税方法   (4-5)

故人が生前に財産を身近な人に与えることは、一般的に生前贈与と呼ばれています。
その生前贈与には相続時精算課税と暦年課税という二つの課税方法があります。
その仕組みを知ってうまく活用すれば、相続税の軽減につながるケースもあります。

相続時精算課税は値上がりしそうな財産の贈与でメリットを発揮

相続時精算課税は、60歳以上の人が20歳以上の子や孫へ贈与する際に選択できる課税方式です。
贈与額が2500万円まで課税されない特別控除額が設定され、この額を超過した贈与額については一律で20%が課税されます。

事前に選択届出書を税務署に届け出ますが、留意したいのは、いったんこの課税方式が適用されると、暦年課税に変更できなくなることです。
生前贈与をしながら「やはり暦年課税のほうがトクかな」と思っても通用しません。

メリットを受けられそうな人は、まず相続時に相続税が発生しないと想定される人です。
その場合は、早期に大きな額の財産を子や孫に移すこともできます。

また、収益物件を贈与した場合には、贈与した後の収益は贈与を受けた人のものとなり、贈与した人の財産の増加を防ぐことが出来ます。
そのため相続税対策になるケースがあります。
そのほか、値上がりする可能性が高い財産を早めに贈与しておくと、値上がり分の相続税の負担を軽減できるでしょう。

一方、デメリットもあります。
一つは、相続時精算課税制度を利用して土地を贈与した場合には、前述した小規模宅地等の特例が適用できなくなることです。
そのほか、相続時に不動産を取得した場合には、登録免許税が0.4%で済みますが、生前贈与の場合には、登録免許税が2.0%、さらに不動産取得税も発生するため、コストが増加することです。

相続時精算課税方式は選択したら変更できないので、税理士など専門家によく相談してから決めるとよいでしょう。

2種類の税率に分かれる暦年課税

生前贈与で相続時精算課税の適用を受けない場合は一般の贈与税の課税方式によります。
これを暦年課税と呼びます。
毎年、1月1日から12月31日までの1年間に受けた贈与の合計額から110万円の基礎控除額を差し引き、それぞれの税率によって算出した税額を納めます。
生前贈与の暦年課税では、兄弟間、夫婦間、親から子への贈与で子が未成年の場合に適用される場合(一般税率)と、祖父母、父母といった直系尊属から20歳以上の子、孫への贈与の場合(特例税率)では税率の区分や控除額が異なります。

この課税方式では、亡くなるまで毎年110万円の贈与を続ければ、相当の額を生前贈与できるという考え方があります。
しかし、税務署は定期定額の贈与については目を光らせています。
たとえば10年間、毎年110万円贈与すれば計1100万円の贈与を無税で出来ることになりますが、それは1回で行う1100万円の贈与を10回に分けただけと考え、修正を求めてくるケースがあるのです。

このような点にも留意しながら生前贈与・相続税対策をとっていきたいものです。

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