税金まわりの基礎知識

相続を受けた人の所得税と確定申告について  (4-9)

身近な人が亡くなった時、基礎控除額(3000万円+600万円×相続人の人数)で算出した以上の相続財産がある場合、相続税が発生します。
このことに関して、相続によって個人の財産・お金が自分に入ると、それは自分の収入・所得ではないかと考え「所得税もかかるのでは?」と勘違いしてしまう人もいるようです。

しかし、原則的に相続によって得た財産に所得税がかかることはありません。
相続において、所得税は原則不要と覚えておいてください。

相続した資産が生んだ収益には所得税がかかる

ただし、厳密にいうと、相続税を納める必要があるかどうかだけにはとどまらないことがあります。
典型的な例は、相続で投資用不動産を譲り受け、収益を生んでいる場合です。

不動産そのものについては、相続財産の総額を計算する際に、財産評価されて、評価額が確定しているでしょう。
しかし、故人が亡くなった直後も以後も、収益は生まれているはずです。
その時、故人の亡くなった日の直後までの収益は、故人の準確定申告において所得を計算し、納税をします。
ところが、実際に相続した日以後に引き続いて投資用不動産から生まれる収益・所得については税務申告されてはいません。

誰がその所得に応じた所得税を納めるか。
それはその投資用不動産の相続を受けた相続人です。
その相続人はこれから毎年、確定申告をしていく必要があります。
忘れないようにしましょう。

なお、マンション1室などの投資用不動産の相続ではなく、「5棟10室」といった事業的規模の基準を超えた、いわば賃貸事業を相続した場合にも留意すべきことがあります。

たとえば、故人が生前、大家業で青色申告を行っていた場合、事業を承継した相続人が青色申告になるためには、その適用申請の書類を相続の開始日から4か月以内に行わないといけません。

相続した不動産を売却した時も確定申告が必要

相続した不動産を比較的早期に売却するケースもあり得ます。

その場合、確定申告が必要で、売却すれば売却益が発生するケースでは、その売却益に所得税が課税されるケースがあります。
これを譲渡益課税といいます(税法用語では譲渡=売却のこと)。

ただし、相続に関連する不動産の売却では、相続財産を譲渡した場合の取得費加算の特例という制度があります。
相続した財産に相続税が課税されている場合、そのかかった相続税の一部を売却時にかかる税金から差し引くという特例です。

具体的には(売った金額ーもともと買った金額)×税額で計算し、この、もともと買った金額、つまり取得費にさらにプラスして相続税額の一部を加算できるというものです。

相続財産を寄付した場合も確定申告が必要に

相続した財産を寄付した場合にも、確定申告をする必要があります。

まず、相続した財産を寄付すると、相続税から一定額を控除できる寄付金控除が適用されます(国や地方公共団体、ユニセフ、赤十字などの特定公益増進法人等の決められた寄付先に限る)。
さらに、この寄付金控除を適用したあと、相続人に関わる所得税からも一定額を二重で控除することが出来るのです。

これは確定申告により節税メリットを受けることが出来る例です。

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