税金まわりの基礎知識

相続財産の評価と税額計算の基礎   (4-4)

身近な人が亡くなったあと、相続財産の額を確定出来たら、相続税額の計算に進みます。
現実に相続税額がかかりそうだと思ったら、相続税に詳しい税理士に相続財産の評価から税額計算、申告書の作成などを代行してもらうケースが多いでしょう。

それでも、税額の計算について基本的な流れを理解しておくのは大切なことです。
そのポイントを紹介します。

課税の対象となる財産とは?

相続税の課税の対象となるのは、基本はすべての相続財産ですが、税額の計算にあたっては、課税の対象とはならない非課税財産があり、また債務、葬儀費用などを差し引けることも覚えておきましょう。

相続財産には、亡くなった人が生前に所有し、亡くなったことで相続財産となる本来の相続財産(現金、預金、不動産、自動車など)と、亡くなったことによって発生し、相続財産と同様に相続人に経済的な利益をもたらす、みなし相続財産(死亡保険金、死亡退職金など)というものがあります。

また、亡くなった人が亡くなる前の3年間に贈与していた財産(贈与財産という)も相続財産に含まれます。
それらの財産の合計から非課税財産を差し引きます。

非課税財産には、墓地・墓石など供養のために使用する財産(祭祀財産)、公益事業のために用意していた寄付金や補助金などの財産(公益目的事業財産や特定寄付金)などがあります。

基礎控除額を差し引き、各相続人の相続税額を求めていく

課税対象となる財産額を確定するには、どんなケースでも差し引くことのできる基礎控除額を差し引きます。
その金額は3000万円+(600万円×法定相続人数)で算出します。
実際には課税財産の額から基礎控除額を差し引くとマイナスになる相続人も多いはずです。
その場合は、相続税は掛かりません。

課税対象となる財産の額から基礎控除額を差し引くと課税財産の総額がわかり、相続人それぞれに法定相続分で財産を分割したと仮定した相続税額が決まります。

なお、それぞれの相続人の納税額を決めるのは、相続人それぞれに法定相続分で財産を分割したと仮定した相続税額の合計額を、実際に相続した割合で割り振ることが必要です。

その際には、割り振って算出した各相続人の納税額から、配偶者や未成年者、障碍者など一定の控除が受けられるケースがあります。

各相続人が受けられるさまざまな控除

それぞれの相続人は、その立場や状況に応じた控除制度があります。
代表的な控除は次の6項目です。

  1. 配偶者控除
    個人の配偶者は常に相続人で、その配偶者に適用される控除です。
    控除額は1億6000万円に相当する財産額まで。
    ただし、配偶者控除を受けるには、遺産分割を相続税の申告期限内に行っていることが前提となります。
    そのため、配偶者控除を活用して相続税を納めなくてもよくなった場合でも、申告はやっておく必要があることに注意しましょう。
  2. 未成年者控除
    20歳未満の相続人は、20歳になるまでの年数×10万円で算出した額が相続税額から控除されます。
    20歳未満の相続人は実質的に他の相続人に扶養される立場でもあります。
    そのため、相続分よりも控除額が大きい場合は、控除額の余った分を扶養義務者や他の相続人の相続税額から差し引くこともできます。
  3. 障碍者控除
    相続人が85歳未満の障害者の場合、85歳になるまでの年数×10万円(精神・身体に著しく重度の障害があり、日常生活において常時特別の介護を必要とする特別障害者の場合は同年数×20万円)が控除されます。
  4. 外国税額控除
    故人が海外に持っていた財産を日本の相続人が相続する際に認められる控除です。
    財産のある国で治めた相続税額分を、日本の相続税額から控除できます。
    いわゆる日本と外国での二重課税を防ぐための制度です。
  5. 相次相続控除
    祖父母から父母、父母から子へと相続財産を受け継ぎ、受け継いだ相続人が10年以内に亡くなって発生する相続を相次相続といいます。
    その相続に適用される控除で、前の相続で納めていた相続税額の一定額が次の相続人の相続税から控除されます。
  6. 贈与税額控除
    相続税の課税対象となる、故人の亡くなる前の3年間に受けた贈与で贈与税を納めていた場合に、その贈与税額は相続税額から控除されます。
    相続税と贈与税の二重課税を避けるための控除制度です。

なお、これらの控除制度の一方で、相続税に加算される制度も。
通常、相続税の2割加算と呼ばれているものです。
配偶者や子、親以外の人に財産を相続した場合に、その人は計算した相続税額の2割加算した額を納めなくてはなりません。

税額負担を軽減する措置もある

また、控除制度ではありませんが、税額の負担を軽減する措置があります。
その代表例が、小規模宅地の特例と呼ばれる制度です。

たとえば、相続した人が配偶者や同居していた子の場合には、敷地面積330平方メートルまでの部分は80%減額した価額で計算できます。

この小規模宅地等の特例の限度面積と減額割合は以下のようになっています。

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