税金まわりの基礎知識

贈与税も踏まえた相続税節税の基礎知識  (4-8)

相続税の課税対象となる財産は、故人の財産の総額と相続時精算課税の適用を受ける贈与財産の合計から、非課税財産と葬儀費用、債務を差し引いて、相続開始前3年以内の贈与財産を加えたものになります。
これを正味の遺産総額ともいい、ここから基礎控除額を差し引くと相続税の課税対象となる財産(課税遺産総額)が算出できます。

この計算を前提に相続税を節税しようと考えると次のような方法があります。

子より孫への贈与を重ねる

相続開始3年以内に故人が贈与した財産は相続税の課税対象になります。
一般的には3年内加算のルールといった呼ばれ方をします。

このルールが適用されるのは、相続人への生前贈与です。
そのため、相続人ではない孫への贈与には適用されません。
たとえば亡くなる直前に子に110万円を贈与すれば贈与税の課税対象にはなりませんが、相続税の課税対象にはなります。
ところが、孫に同額を贈与すれば、贈与税の課税対象にも相続税の課税対象にもなりません。

相続税がかかりそうな財産を抱えている高齢者は、税金面の負担を考えるなら、孫に優先して財産を贈与していくという対応もあるのです。

ただし、遺言書にたとえば「孫にも○○万円を渡す」などと書くと、孫は相続人として扱われ、3年内加算のルールが適用されます。
生命保険も同様で、受取人を孫にしていると、3年内加算のルールが適用されます。

のあ、孫が受取人の死亡保険金には500万円の非課税枠は適用されず、受取額がそのまま課税対象の財産額になります。

住宅資金や教育資金贈与の特例を有効活用する

課税当局にもたくさんの残高のある通帳や“タンス預金”を残してなくなるくらいなら、子や孫にお金を移した方が経済の発展に貢献するという考えもあるかもしれません。
住宅資金や教育資金贈与の特例は、その意向を反映させた制度ということもできます。

  1. 住宅取得等資金の贈与の特例
    まず住宅資金の贈与に関する特例を見ていきましょう。
    2016年1月1日から2021年12月31日までの間に、父母や祖父母からの贈与により、自宅を新築したり購入・増改築したりした時、一定の要件を満たせば、非課税限度額までの金額については贈与税が非課税となる制度です。非課税限度額については建物の種類や取得(契約)年によって異なります。
  2. 教育資金の一括贈与
    教育資金の一括贈与の特例は、子や孫の教育資金については1500万円までは非課税とする制度です。
    手続きは多少面倒で、まず、信託会社と教育資金管理契約を結び、その契約に基づいて金融機関に1500万円までのお金を預け、そこから子や孫が教育に関わるお金を引き出し、30歳までに使いきれなかった残額はその年の贈与税の課税対象となります。なお、契約にあたっては教育資金非課税申告書の提出が必要ですし、教育資金に充当したことをしめす領収書の信託会社への提出が必要です。

    もともと子や孫への教育資金の贈与は非課税となっていたので、代わりはないということもできますが、1500万円まで一括で渡せるという点に大きなメリットがあります。

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